輝きのメイルシュトローム
神曲奏界ポリフォニカRPGに続く、スタンダードRPGシステムの第5弾。*1
その先行リプレイです。
輝きのメイルシュトローム―Replay:トリニティ×ヴィーナスSRS (integral)
- 作者: 是空とおる,三輪清宗
- 出版社/メーカー: ジャイブ
- 発売日: 2008/08
- メディア: 文庫
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特筆すべきは2点。
原作コミックスの作画を手がける合鴨ひろゆきが、プレイヤーも担当し、本書でも作画を手がけること。
SRS初、F.E.A.R.が直接製作していない、第三者製作のシステムであること。
合鴨ひろゆきは、これでシルバーレインRPGのリプレイに続いて、プレイヤーとイラストレイターを兼業することになりました。*2
プレイヤー・イラストレイター兼業というと、イラストレーターズセッションなどの企画物を除けば、ダブルクロスのしのとうこと、後は「タイタンふたたび」の瀧口天晴ぐらいしか思い出せません。
今回合鴨氏はシリーズが2本同時併走するということになるわけで、プレイヤーとしてもキャラクターとしても、どれだけ差異が出せるかというところが見ものなんですが……正直、あんまり差はない気がするなぁ(笑)。
本書は、異能者が戦う「トリニティ×ヴィーナス」という作品を原作に持つわけなのですが、とりあえず単体で読んだ限り、ゲーム的な処理の問題ではなく、ワールド的な取り扱いとしての能力のイメージがわきませんでした。
その他、トリニティやヴィーナスがどういう組織なのかも、今一つハッキリしません。
コミックスのホームページに行って、サンプルを読むと「秘密結社」「政府直轄の能力者集団」と書かれていて、出自がハッキリするのに……もうちょっとハッキリ書いて欲しいものです。
http://rush.jive-ltd.co.jp/sakuhin200802/trinity.html
その他、今回の著者は「風の聖痕RPG」のリプレイを担当した三輪清宗なのだが、前作のほうが「原作は知っているけれどRPGは知らない人に読ませる」というコンセプトがハッキリしていて読みやすかった。
今回のリプレイは、プレイヤーが全員、製作者サイドの人間か製作者の親しい友人ということで、「原作の設定をかなり熟知していること」が前提になって話が進んでいる印象がある。
また、SRSやRPGの部分に関しても、説明はそれほど親切ではない。*3
まずルールブックがまだ登場していないので、ルール部分に関してはたいしたことは言えないのだが、検索して大手掲示板の記載などを見る限りは、スキルの組み合わせによるコンボやGURPSで言う限定/増強のようなものをつけてカスタマイズし、ワンオフの能力を作るのが特徴的らしいが、その部分はあまり触れられていない。
また、新要素としてフェイズワークという判定が加わっている。
これが……バッドタイミングとしか言いようがない。コンセプトはまるっきりポリフォニカRPGのFS判定と同じ。
こちらのほうがいろいろこだわりが見えるが、シンプルに他のルールと共通性を持たせたことでわかりやすかったFS判定のほうが軍配が上がる。
F.E.A.R.が手を入れていないゆえの痛恨というところか。*4本当にバッドタイミングとしか言いようがない。
とりあえず、現代ファンタジーはもう腐るほど出てきて、どれだけガンバれるかというのは、正直、苦戦必至なんじゃないかと思う。
とはいえ、ルールブックを心待ちにしたいと思う。
あ、原作の[rakuten:hyoutan:10013702:title]も、ね。