アリアンロッド・サガ アルディオン大陸ガイド

これまでの舞台だったエリンディルとは異なる新大陸、アルディオン大陸を舞台としたワールドガイド。
同時発売でリプレイの1巻が刊行されているとはいえ、ほぼまったく予備知識なし、事前情報なしの新しい物語の資料になります。
正直、よく出したな富士見書房。というのが感想。*1
よっぽどアイテムガイドとエネミーガイドが売れたんだなぁ。

新たなる冒険が始まる/アルディオン大陸へようこそ/サンプルキャラクター/アリアンロッド製品紹介/本書の使い方
第一章 ワールドセクション
アルディオン大陸/伝説と歴史/アルディオンの国々/フェリタニア王国/レイウォール王国(赤竜王国)/グラスウェルズ王国(白竜王国)/エストネル王国/ゴルフォード王国/メルトランド王国/その他の国々/アルディオンの人物紹介
コラム:アルディオンにおける邪神のしもべたち
第二章 キャラクターセクション
追加データ(サンプルキャラクター)/エクスマキナ/ドラゴネット/フォーキャスター/プリーチャー/武器/防具/盾/装身具/矢弾/乗物/サービス/マジックアイテム
第三章 ゲームマスターセクション
ゲームマスターガイド/災いと呪詛(呪詛データ)/伝説と伝承(伝承データ)/ギルドスキル/エネミーデータ/ネームドエネミー/エクストラドロップ
第四章 シナリオセクション
「孤島の火種」
第五章 アペンディクス
出自表/境遇表/運命表/クラス修正表/関係表/索引

データ面で、主だった追加点としては。
新種族が“神竜王セフィロスによって創造された竜人「ドラゴネット」と意思を持ったゴーレム「エクスマキナ」の2種類。
追加クラスがサポート特化の軍師「フォーキャスター」と自己強化系のいわゆる竜司祭「プリーチャー」の2種類。


追加ルールとして、高レベル時のデータ再構成の指針としての「リビルド」、時系列を飛ばして長期間の物語をキャンペーン化する「クロニクルプレイ」*2
アルシャード系のハンドアウトテンプレートや、ダブルクロスのDロイスのような、物語性を嗜好する追加データの「呪詛」と「伝承」。


こんなところになります。
F.E.A.R.系のワールドガイドとしては極めて正統派のつくりであると思われます。
ただ……「戦記ができます」という売りはあるんでしょうが、実際に本書を読んで、戦記がやりたいっていう志向性が出てくるかって言うと、僕はビミョウだなぁ、と感じます。
例えば、赤竜王国vs白竜王国の構図に絞っちゃって、それぞれの王国ごとにワールドガイドをまとめ、巻末には戦乱に関わるキャンペーンシナリオを載せる。という構成のほうが、僕ならばきっと戦記物として楽しむキッカケになったと思います。
いや、全体的なできはいいと思うんですけどね。うん。


それにしても、この表紙を見て気付いたが……*3アリアンロッド・サガ」って、こんなロゴだったのね。
……ナンかダサくない!? 右下の従来のタイプのほうが落ち着いていいんですけどね。

*1:ワールドガイドには、資料的な楽しみ方もあり、実際にゲームはせずライトノベルとして楽しむ“読者”なども購入対象となると思われがちですが、実際にこれで成功したのはロードス島コンパニオンだけというのが実情かと思われます。

*2:ブレイド・オブ・アルカナ 3rd」と根本的には同じです。

*3:「戦乱のプリンセス」の表紙にも同じロゴが使われているのに、カバーかけてたものでスルーしてました。