シノビガミ弐 刃魔激突

やられた……


待望のシノビガミ、第二弾。

第一巻と同様、リプレイ一篇とゲームルールが掲載。


まずはゲームルール部から。
基本的には追加データ。
一部、基本ルールの補足改定。例えばドラマシーンの判定、今までは判定をしてから何が得られるかを選択できたが、パッチが当たって、事前に宣言してからしか判定できなくなった。
その他にも、奥義のダメージ適用方法の示唆とか。


追加ルールその1。
流派を越える集団を表わす「血盟」。
血盟のメンバー同士での連携で効果を発揮する専用忍法が追加。


そして、追加ルールその2。
新しいキャラクターである「一般人」が追加。
一般人は忍法は使用できないが、能力は忍者と同じ特技で表わされています。
一般的な解釈のできる「走法」「身体操術」辺りや、少しヒネれば解釈できなくもない「絡繰術」「鳥獣術」辺りはともかくとして。
「死霊術」辺りはどう解釈すればいいんだ……*1
一般人は、忍法がないので戦闘力は殆ど期待できませんので、メインにはなりませんが、他の忍者にサプライズを与える存在としていいスパイスになりそう。


追加ルールその3は、六大勢力それぞれに三つずつの分派が追加。
もはや忍者だかなんだかわからない連中も。
……「世界忍者」って(笑)。


そして。
待望のリプレイパート。
……もう、何を言ってもネタバレにしかならない。
ただ一つ言えるのは、間違いなく今年出版されたリプレイの中でナンバー1じゃないでしょうか。
アリアンロッド・ルージュ3巻再びという感じがします。


物語は甲賀忍法帳バリに宿敵である鞍馬神流と隠忍の血統の三対三のバトルロイヤル。
なので今回は、ルツボが新キャラに交代。*2
他三名が継続で、加えて「一般人」のキャラクター、風間祭莉が参戦。
プレイヤーはイラストレーターの七原しえ。TRPGは2回目で変則キャラクターである一般人とは冒険企画局、本当に冒険するなぁ。*3
PCは5名になっているので、NPCが1名に減っています。
3サイクルで適正なのは、6人程度というバランスなんでしょうが。
今回の場合、最初から二手に分かれて【使命】が与えられている上、前作で多少なりともバックボーンが理解できているので、駆け引きや展開に余裕があります。


以下ネタバレ


註:本書を読もうという人は絶対にネタバレは気をつけてください。ネタバレしたら読む意味が半減すること間違いありません。



それにしてもこのGM
鬼である。
前回は、【秘密】が全てオープンになることで、PCが一致団結してボスに当たる展開がありえたが、今回のシナリオは、明らかに競合して成立し得ない【秘密】が隠されている。
全員が使命を、望みを果たしハッピーエンドにはなりえない。
コンベンションや、いやサークルでもこんなシナリオやったGMが居たら、終了後に呼び出して査問会である(笑)。


しかも、それが「賢者の贈り物」であるから切ない。


まぁ、シナリオ全体からすると、全員の【秘密】がオープンになった八葉のエンディングであばんが口にするように、同じような構成の【秘密】を抱えたキャラクターが多いこと。
幻蔵とあばん、影斗と祭莉という前作の人間関係を踏まえた上での構成。
続編だからできるシナリオといえばそうなのですが。
……このエンディングはなぁ……
切ない。


今回の表紙は影斗と祭莉、また影斗のPC紹介のイラストもそうなのですが、前巻や、そして七原しえのblogでの影斗からすると随分と面変わりしてます。
まぁ……
そりゃヤサグレるなぁ。
矢車さんどころじゃないよ、地獄を見てるからなぁ。


これ、どんな形の展開であろうと、第三巻出さないと許されませんよ(苦笑)。
どんな展開であっても、この先を……ね。

*1:イタコや「霊感がある」辺りですかね。

*2:ルツボは比良坂機関なので直接関係ないので。影斗はハグレモノなので他の流派に雇われることが在り得る。

*3:もちろん、結果としては大成功なのですが。今回の設定を考えると、冒企のメンバーとかコアなTRPGプレイヤーだときっと小賢しいことを考えてこんな直球は投げられないと想う。