劇場版 『ATOM(アトム)』
「どうして、こうなった」(いい意味で)
『ドラゴンボール レボリューション』の悲劇と、アメリカンナイズされたキャラクターデザインのため、公開前から「ガッカリだ」という声もあった本作品。
アメリカでは今月の26日からの公開予定だそうですが、日本では公開直後に10位に入ったものの、あっという間に圏外へ。
ううん、観なければ損な作品に仕上がってたと思うんだがなぁ。
制作者たちの、『鉄腕アトム』に対する確かな尊敬と愛情の念が感じられるリスペクトが随所に見られたから。
アトムの過剰とも思える武装の理由とか、善人ぶってていても自己の欲望に正直で、それでいて愛嬌のあるハムエッグとか、よく描けていた。
ストーリーは、ややご都合主義であるものの、今回のアレンジを生かすには、むしろシンプルにして正解だったと思う。
唯一残念だった点を挙げるなら、ヒゲオヤジの活躍を見られなかったくらいか。
このクオリティーで次回作があるなら、ぜひ観たい。
ところで、トビーの死ぬシーンをああいうふうにしたのは、交通事故だと映像的に残酷なるからという配慮らしい。
一瞬にして消滅というのは、死に方としては、よけい酷いと思う(・_・)
それほど子供が死ぬということが、子供も観る映画を作る上でアメリカなどではタブーになっているのだとしたら、ちゃんと基本的なコンセプトを死守したことに敬意を表したい。