ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

 さすがに公開日には劇場の予約が満杯だったので、翌日に行ってきました。
 5歳の息子を連れて(笑)
 この子が人生最初に観た映画が前作の「序」だったんで。
 あれから2年経つ訳か。大きくなる訳だ。
 続編は、小学校に入ってからか?


 でもって「破」はどうだったかというと、破ったというか、破れたというか、破られたというか、確かに「破」でした。
 例えるのなら、『天元突破ヱヴァンゲリヲン』か、『新訳Z(ゼータ)ヱヴァンゲリヲン –恋人たち-』、いや同じ監督の作品ということでは『彼氏彼女のヱヴァンゲリヲン』といった感じかと。
 パンフレットの記事を信じるのなら、前作では庵野秀明総監督の意図を他のスタッフが誤解したまま制作していたんだそうで、今回はより庵野総監督の意図に沿う形で作り込んだとのこと。
 なるほどー。とすると、奥さんの安野モヨコが、『監督不行届』でカントクくん(庵野総監督)を、“乙女チックな子供”として描いていたのは、誇張ではなく本当だったんだな。
 苗字が変わったアスカは妙に可愛くなってて、レイは無機質な人形よりも天然な不思議ちゃん程度にとどまり、シンジは子供の頃に憧れがちな強い意志を持った男の子だった。新しいキャラクターの真希波・マリ・イラストリアスは、アスカの壊れ人格を引き受けた感じで、トリックスター的な存在だったけど、これもズルさと遊び心を持っていた子供の頃を思い出させる存在かも。
 登場人物の内面が静かな見所とすれば、戦闘シーンは大スクリーンでの見所満載。ヱヴァの暴れっぷりはもちろん、対使途迎撃要塞都市の運用の仕方が面白かったです。都市全体がエヴァを支援するために設計されてるシーンとか、一歩間違うとギャグだけど、そうならないところが培われた演出力と感心。
 次から次へと使徒が攻めてくるため、観ている途中で、どこで「つづく」になるのか気になったものの、終わってみれば全体としては、幸福の予感と絶望への突き落としが絶妙で、次回の「Q」(「急」ではない意図も含めて)が楽しみになる内容だったと思います。


 観終わった息子ちゃんに感想を訊くと、「なんでだよってかんじだよねー」と言っていた。
 何か気に入らなかったらしい(笑)


 そうそう、パンフレットは表紙からしてネタバレしてるんで、観終わるまで売店に近づかない方が良いです。
 念のため。